第13章 マスクの秘密
『いや、それはそうなんだけど…だからってこっち見られても対応に困るというか…なんというか?』
三途「めんどくせ」
……猫かぶってるけどアンタの正体分かってるんですけど…?
めんどくせ…とか言葉に出ちゃってるし何も隠せてませんけど???
何が目的なんだろうこの子は……
『そんな猫被らなくても…素が漏れてるけど?』
三途「そんなことないです。猫とか被ってません、これがオレなんで」
いや、無理ありすぎでしょ…!?
初対面で襲撃されてんのよ、こっちは…!
つい心の中でツッコミを入れつつ三途くんを見ていれば、三途くんが飲み物に手を付けてないことに気付く。
『…あ、オレンジ嫌いだった?』
三途「…別に」
『アップルとかあるけど…アップルの方が良かったかな?グレープとかもあったんだけど今切らしてて…』
三途「ガキ扱いすんなテメェ」
私から見たらガキでしょ…なんて思いながらも、年頃の子はガキ扱いされるのは好きじゃないんだろうなと思い私は口を閉じた。
すると、三途くんは少しオレンジジュースを眺めてはそのまま手に持ちマスクを外し一口飲んだ。
三途「………………ん」
マスクを外した顔を知らない私はつい三途くんの顔を見入ってしまう。
マスクしてても分かるけどやっぱり容姿端麗……と思ったが、ふと口元にある傷が目に入った。
綺麗な顔に傷が……傷を気にしてマスクしてるのかな…?
それならあんまり触れない方がいいのかな…あれ、どうするこの状況…
そう思いながらも三途くんの口元ばかり見てしまう私。
三途くんはその目線に気が付いたのか、マスクを口元に戻せばグラスをテーブルに置いた。