第12章 危険人物
?「お、いたいた」
聞こえる声の方に目をやれば、こちらに向かって歩いてくるピンクとブルーのもふもふ二人組。
どこかで見たことあるような……と思いながら自分の記憶を辿れば、先程の集会にいた子だと思い出した。
?「マイキーが探してたよ」
近くまで来れば、そんなことを告げるブルーのもふもふくん。
口調は優しめだが顔がとても怒っている……何故…これは怒ってるのか?
マイキーくんが探してるから仕方なく探すの手伝ってやったけど、本当はめんどくさいし手間かけさせんなテメェとか思ってるよね絶対に…えっ、ごめんて……そんなに怒らないで……
申し訳ない気持ちになりながらもなにか返事を返そうとすれば、ピンクのもふもふくんが蘭ちゃん竜ちゃんの手を強引に退かせば私の肩を抱きブルーのもふもふくんの傍に戻る。
助けてくれた…?
マイキーくんの仲間だからやっぱりいい子なのね…まじありがとう…
そう思いながらピンクのもふもふくんを見ていれば、いきなり意味のわからないことを言い出した。
?「コイツ東卍の姫だから、あんまりちょっかい出すんじゃねぇぞ」
『ひ、姫…!?』
姫って何?私に言ってるのかなこの子…
私はつい周りを見渡し他に女の子が居ないか確認してしまうも、この付近にいるのは私たちだけだった。
そんな中、姫という言葉に開いた口が塞がらない灰谷達。
つい声が漏れてしまっている。
蘭・竜胆「は?」
?『…そう言うことだから、返してもらうね』
?「戻んぞ」
『えっ、あ…ちょ』
それだけを言い残せば、もふもふコンビは私の背中に手を添えてそのまま灰谷兄弟に背中を向けて歩き出した。
蘭「…………姫ってもっと可愛いだろ」
竜胆「…まぁ。つか、逃げられた」
蘭「別にいいけど、次会ったらあの女とっ捕まえる」
竜胆「…兄ちゃん、なんでそんなに執着してんの?珍しいじゃん」
蘭「別に執着してねぇけど?暇だったから相手してやっただけ」
竜胆「…………(絶対気に入ったよな…)」