第12章 危険人物
つい、竜胆ちゃんの事をじっと見つめてしまえばすぐに目が合ったもののすぐに逸らされてしまった。
あ、うん。嫌われてるわ私。
そんな心折れそうな私に気付いたか否や蘭ちゃんは頭をポンポンとしてくれる。
蘭「今日から下僕。よろしくな」
『いや、私下僕になったつもりは…』
蘭「じゃあ犬?」
『それもちょっと…』
あれ、何か誰かに似てる…
そう思い私の頭に浮かんだのはイザナくんの顔だった。
下僕とか犬とか完全イザナくんじゃん。
え、なに?下僕と犬が流行りなのかな?
アニメの見すぎじゃない…まじで…
『下僕とか犬とか無理だよ…?』
蘭「いいじゃん、減るもんじゃないし」
竜胆「兄ちゃん…」
減るよ?私の何かが減るよ???ねぇわかる???
てゆうか、なんで私こうゆう子にしか会わないの…最近周りがヤンキーだらけになってきてるけどどうゆうこと???
『下僕にも犬にもならないけど…もうことも済んだ事だし帰りな?私も帰るね』
蘭「は、なんで?帰らせないけど」
『…はい?』
蘭「今からオレと行くとこあんだからさ♡」
『いや、ないけど…?』
蘭「とりあえず着いてきて」
『いや、人の話聞いてる?』
蘭ちゃんは行きたいところがあるんだと言い張り、私の手を引きながら歩き出した。
この子どこに行くつもりなんだろうと思いながらも、蘭ちゃんが私を引っ張り歩く手が強くて私は少しだけビビってしまった。
竜胆「兄ちゃん…ちょっと…!」
いきなり歩き出した蘭ちゃんに驚きつつ竜胆ちゃんも私たちの後を追って歩いてきた。
私どこに連れていかれるの…!?