第12章 危険人物
?「オレは灰谷蘭。お前は?」
何を言い出すのかと思えば、何故か自己紹介をしてきた彼。
いや、誰も聞いてねぇし…知りたくもないわ。
なんて思いながらも相手の名前を教えろオーラの圧が強すぎて仕方なく名前を教えた。
『苗字名前……てゆうか、名前なんて聞いてどうするの?絶対に二度と関わらないのに』
蘭「ん?なんかお前面白いから名前くらいは聞いてやろうかなって」
『…その上から目線なんなの?』
蘭「気のせい気のせい♪」
へらへらしながら私の方をぽんぽんと、少し強い力で叩いてくる蘭というこの男。
顔面綺麗な上に名前まで可愛いとかなんなの…チートか。
てか、力強…
そんな事を考えながら、はぁっと溜息を吐いた。
そんな中少し離れた場所から、"兄ちゃん"なんて呼びながらこちらに近寄ってきた。
?「兄ちゃん、こんな所にいた」
蘭「あ、竜胆。変な女に捕まっちゃってさ」
近寄ってきた子は竜胆と呼ばれ、金髪に青色メッシュのような髪をしたメガネの男の子。
……なんか最近の子って顔面偏差値高いね。
そう思いながらも、私は蘭の言葉にハッとした。
今、変な女に絡まれたって言った?
それって私の事…は???
蘭が変な女に絡まれたと言えば、竜胆と呼ばれる子はすぐに私の方を見た。
いや、待って。違う違う。私じゃない。
多分だけど…変な女ってゆうのはさっきの彼女のことを言ってるんだと思うんだ、うん。いや、そうだと思いたい。
助けてあげた上変な女とか言われたらもう殴るよね。
?「変な女ってコイツ?」
蘭「うん、そう♪」
『待て?なんでそうなった?蘭ちゃん?』
心底ヤバいやつだったね、うん。
期待した私が馬鹿だったよね。
これは殴ってもいいよね?普通だったら殴るね。
そう思いながら再びイライラしてくれば、蘭ちゃんは私の肩を抱いて竜胆ちゃんの方を向く。
あ、竜胆って名前覚えちゃった…自分気持ち悪いな…。
『って、ちょっと?なに?』
蘭「コイツ変な女だけどオレのこと助けてくれる女。だから今日からオレの下僕にする」
竜胆・自分「『えっ』」
何故か竜胆ちゃんと被る私の声。
絶対いい子だよね竜胆ちゃん…
そう思いながら私は竜胆ちゃんをじっとみた。