第12章 危険人物
?「うわー、派手にやられたじゃん」
地面に尻もちを付いてビンタを食らった頬を撫でている私の顔を覗き込んで笑っているこの男。
なんでそんな面白げに笑ってるのこの人…
てか、そもそもコイツのせいで私こんな目にあってるんだけど…!?
そう思えば、段々と苛立ちが際立った。
?「大丈夫かー?立てる?」
不機嫌そうに俯く私に手を差し伸べてくる相手。
私はその手を取らずに自力で立ち上がる。
『貴方誰?私…知り合いじゃないんだけど』
?「ん?オレもお前知らないけど」
『……………は?』
見ず知らずの人を彼女との喧嘩に巻き込むって…相当やばいですけど?
巻き込んだ上に相手は無傷だし、なんか関係ない私が怪我するってどうゆうこと???は?ますます腹たってきたけど?
?「知らないけどまじ助かったよ、サンキュ」
『いや、サンキュじゃねぇわ…なんで私が殴られなきゃいけないの!?意味わからないよね?アンタが殴られるべきでしょ…!』
?「女に殴られるほどオレ弱くねぇし」
『いや、人の話聞いてる???強いとか弱いとかの話じゃないんだけど…!?』
?「そんなに怒るなって、シワ増えるよ?」
『…………………』
え、待って…イライラ止まらないんだけど。
怒らせてるのが自分だってゆう自覚はないのかなこの子。
あー…マイキーくん達が如何にいい子かってことを思い知らされてるよ…天使に見える。
一虎でさえ天使に見えるかもしれない。
これ以上文句を言ったところで時間の無駄だと思い、私はどうにかこのイライラを抑えようとマイキーくん達のことを考える。
すると急に黙り込んだ私が気になったのか、三つ編みくんは私の顔を覗き込んできた。