第12章 危険人物
『えっ…』
………あの人手振ってる?
なんか私に振ってるような…いや、でも知らない人だし…
一瞬フリーズするも、私はすぐに自分の周りを見る。
…………いや、誰もいないし…って、私に手振ってる!?
周りに誰もいないことを確認しては、彼が自分に手を振っているのだとすぐに理解した。
見知らぬ人だし、人違いだよね…なんて思いながら巻き込まれないうちに早いとこ此処から去ろうと思い、踵を返して帰ろうとすれば首根っこ辺りの服を掴まれ私は再びフリーズした。
『えっ、ちょ…!!!』
?「手振ってるんだから逃げないでくれる?オレの彼女なんだからさ♡」
相手の言葉に私はすぐに振り返り目を見開いた。
『…………はいっ!?!?!?』
彼女?えっ、なんの事?てゆうか誰…!?
私は彼の顔を見るも誰だか全く検討がつかなかった。
いや、絶対初対面だよこの人…
私が不審そうに三つ編みの彼を見ていれば、彼の言葉に反応した彼女であろう女の子は私の近くに寄ってきた。
女「彼女!?」
?「そ、彼女。だからお前はもう用無し。これからはオレに関わってくんなよ」
『えっ、いや…私は…!!!』
何を言ってるんだこの男はと思い、誤解を招きたくない私はすぐに否定しようとするも、彼女である女の子にいきなり胸ぐらを掴まれ勢いよく頬を叩かれた。
『いっ…!』
女「信じらんない!人の男を取るなんて!いいわよ、こっちから振ってやるわよ!!!」
それだけを言い残して女の子は私を突き飛ばしてその場から去っていってしまった。
な、なんで…!?!?!?
私は自分の置かれた状況を全く理解できなかった。