第24章 弟の決意
『・・うるさいえ。おばえみたいな下市民がわちしに口答えするな』
『___ハァ、ハァ・・下市民?そりゃ、お前のようなクズよか全然マシだ。俺は、ユキを絶対にお前に渡したりしない。お前なんかに、ユキはもったいねえ』
パンパンっと、今度は2度の銃声音が響き渡る。
「い、や・・・やめ、て・・・・・ユウーーーーーーっ!!!!!」
必死に窓の外へと手を伸ばすユキを、エースは力で抑え込む。
『・・・ハァ・・・っユキは、あい、つは、もっといい男とっであって、これから1番幸せに・・ぐっ・・ならなきゃ、いけねぇ女、だ!!』
『あの女は一生わちしのものだえ』
『ちげぇっ!!!あいつには、あいつの人生があるっ!!それをこんなとこで、お前や俺なんかに邪魔されちゃ、いけねっグアァッ』
言い終える前に、また鳴り響く銃声と共にユウの悲鳴。
『よくわかったえ。お前がそんなに死にたいとは。望み通り、殺してやるえ』
『・・・ハッ・・・俺は、お前なんかに殺され、ねぇ!!!!!』
『火をつけるえ!!!!』
『っユキーーーーーーーーーーー!!!!』
「!」
ハァ、ハァ、と、もう息も絶え絶えな様子で、ユウは叫んだ。きっと、あいつは気づいてるんだろう。エースの制止も無駄になり、ユキがここに来ていることを。
放てっと言われた言葉に、一斉にユウを囲んでいた弓矢隊がその先に、炎の燃える矢をユウに向けて放った。