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Time to Time ーAS・Lー

第22章 その町は



「あーーわかった、わかったよ、姉さん。言う通りにする。ったく、強情さは何年経っても治らねぇ」

「何か、言ったかしら?」

呆れたように口を尖らせるユウに、ホッと安堵するユキはジロリと睨みつける。
何も、と返す弟に、クスリ、と笑う姉。笑い合う姉弟を見守るエースは、これで弟は死なずに済むんじゃねぇか?と考える。

ユキも、きっとそう考えているから、ああやって笑っているんだろう。そう思うエースは、ふと視線が刺さることに気づいた。

「・・・・・」

ギロリとエースを睨め付けるその表情は、姉を取られ嫉妬するもの、だと思うんだが。少し引っかかることにエースは首を傾げる。・・・が、次の瞬間に拳が襲ってくるのを感じ、スイと避ける。

「っユウ!!エースは恩人だって言ったでしょう!?」

止める姉の声を今度は聞かずに、さらに違う拳を振り下ろしてくる弟、ユウ。だが、聞き覚えのある名前に眉を顰める。

「・・・エース?」

「・・・・・おぅ」

「・・・・・火拳の?」

「・・・・・・・」

「マジかよ」

答えないエースに、攻撃をやめ、本物かと疑いまじまじとみる。エースの後ろにあるマークを見て、本物・・・なんで姉さんと一緒にいんだ・・・ぶつぶつと言う弟は、まあいいとエースをその場から連れ出す。

着いてこようとしたユキだが、姉さんは待ってろ、とユウに言われしぶしぶその場にとどまった。
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