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Time to Time ーAS・Lー

第30章  歓迎会


サッチから声のした方に視線を向けると、そこには何人かが集まってユキとサッチに呆れたような驚いたような表情を向けていた。
ユキは途端に少し気恥ずかしくなり、パッと手を放す。サッチはちぇ、と邪魔をしたマルコに悪態を吐いた。

「・・・っあ!マルコさんですよねっ!」

先頭に立つ男を見ると、少しパイナップルのような髪型をした人。それが1番隊隊長マルコだとわかり、ユキは面識もあるため立ち上がって頭を下げた。

「あの!あんなにいい部屋を用意していただいて、ありがとうございました!それに・・・・初めて会った時も、治療していただいて・・・感謝します」

随分と礼儀の正しい女だ、とマルコは突然の感謝に狐が虚をつままれたかのような顔をした。名前もこの前、1週間前に自己紹介したのによく覚えてたな、と思いながら挨拶する。

「・・・いや、いいってことよぃ。俺こそ、エースに女子供は置いておけ、なんて言って悪かったよぃ。お前にも矜持ってもんがあるのに、それを踏み躙る発言だった。」

「・・・・・いえ、気にしてません。ああ言うのは、優しいからだって、エースが言ってましたし」

ふわ、と笑うユキに、マルコは固まった。まさかエースがそんなフォローをするようになっていたなんて、と驚いたのもあるが、あれほどの激情を昼間見せられただけに、こんなに柔らかい表情をするような女だとは思わなかったのだ。
サッチもびっくりして口から含んだ酒が流れている。

「・・・随分、可愛らしいお嬢さんのようだ。俺はジョズ。よろしく」

「ジョズさん、よろしくお願いします!」

「俺はビスタ。困ったことがあれば言いなさい」

「イゾウだ。好きに呼べ」

「ハルタってんだ!よろしくな!」

次々に挨拶されて、笑顔で律儀に挨拶仕返すユキに、マルコは呆れながら「こんな大所帯、隊長くらいでいい、後からゆっくり覚えていけよぃ」と伝える。

隊長?と不思議な顔をするユキに、なんだ、知らねぇのかぃ、と言いかけやめる。そういえば、治療した時に黙っていてくれと言われたあの印。それが意味するものは地獄。世間のことなど知らないのは無理はない、と白ひげ海賊団に吐いて少し説明した。
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