第5章 少年
「おい!!!!島が燃えてるぞ!!!!!」
夜中、甲板からそんな声が上がったかと思えば、ぞろぞろと船内から出てくるクルー達。
エースもその1人で、見ると本当に島が燃えている。
一言一句間違いなく、表現そのままの光景が広がっていた。
その日モビーは、1つの島に停泊していた。皆、思い思いに過ごし、明朝に出港する予定であった。
皆、この数日楽しんだ島が轟々と炎に襲われているのを唖然と見つめた。いったい、何が、誰かがそう呟いた時には、もうすでに2人が動き出していた。
「エース!!お前は火をどうにかしろぃ!!人員救助優先だ!!!俺も誰か取り残されてねぇか見にいくよぃ!!他の奴らは島民を避難させろぃ!!!!」
「わかった!!!」
マルコの指示を聞き終える前にエースは駆け出していた。後ろでクルー達がバタバタと動き回っている。
いったいなんでここまで火が回るんだ!!!そう思いながらも、轟々と燃え盛る1番大きな炎の中に飛び込んだ。