第28章 海賊の流儀
ある、と断言しようとしたエースの声を遮る、澄んだ声が甲板に響いた。それがエースの腕に抱かれるものからの声だと気づいた時には、ユキはすでにエースの腕から逃れ、白ひげの前に立ちはだかった。
「・・・・お前ェみてぇな娘っ子に、うちの隊長を守れると?」
先ほど和らいだ雰囲気がまたピリリとユキの肌に刺激が走る。
「っ私は、誰よりもっ幸せになる方法を探すためにっエースの誘いに乗った!!ここで見つかるかはわからないけどっ・・・・それに、力ではここにいる誰よりも弱いかもしれないけどっ・・エースに守られるだけの人間じゃないっ!!!
・・・・さっきから女子供とっ馬鹿にする人こそ、男として恥ずかしいと思って欲しいっ・・・・強さも、守り方も、全て、人それぞれっ・・・・そこに男も女も関係ないっ!!!
____私は私のやり方で、エースに尽くすっ!!!!」
「!?」
後ろで息を呑むエースの気配を感じるが、白ひげから目を離さないユキは振り向かない。