第28章 海賊の流儀
「あーーー懐かしのモビーだーーー」
感極まるように甲板に転がるエースを蹴る者たち。
「ったく、1週間以上も心配かけさせやがって!海に飲まれたお前らを見た時の俺と親父の気持ちを思い知れよぃ!!!あんな無茶しやがってっ!!」
「そうだぞエース!能力者が津波に飲まれて全く帰って来ねえってんだから、船中大慌てでお前のビブルカードで探したんだぞ!それをお前、女と1週間いちゃついてただあぁぁああ!?返せ俺たちの心配っ!!!」
無事、迎えの船が来てエースとユキは船に乗り込んだ。どうやら本当に心配をかけたみたいで、マルコと4番隊隊長サッチが甲板に転がるエースの体を覇気を使い蹴る。
そんな2人に、蹴り上げられるエースは悪かったよと手を合わせる。
「波にビブルカードも全部持ってかれちまって、海へ出る方法もなかったんだよ!でも、絶対ェお前たちなら来てくれるって信じてたから、あそこでじっと待ってたんだ!ありがとな!迎えに来てくれて!」
末の弟の素直な感謝に、長男2人はうっと言葉をつまらせる。
そんな2人を宥めるように、3番隊隊長のジョズが割って入る。
「まぁまぁ、無事だったんだからよかっただろ」
「・・・ったく、まあ、元気そうで何よりだよぃ。親父も心配してたから、ちゃんと顔見せに行けよぃ」
ゴチっと最後に一発エースの頭を殴ったマルコはそれで気が済んだのか、先ほどから突っ立っているその女に目を向けた。