第9章 私はモブになりたい
え?え?これってもしかして巷で噂の異世界転生?
あ、異世界というか輪廻転生?まぁとにかく生まれ変わり?みたいな事が自分の身に起きてしまったということだ
ということは以前の私は死んでしまったということなのだろうか?
死んでしまったのなら何故?
はまだ良く働かない頭で必死に考えた
ふと浮かんで来たのは歩道橋の階段を上機嫌で降りていたら雨に濡れていたタイルに足を取られてそのまま転げ落ちた記憶が蘇った
「…わぁ…めっちゃ間抜けじゃん…」
蘇った記憶になんとも言えない感想が口から出た
「まぁ、私がどうなろうと誰も気にしないし」
あっ、塾の生徒達が心配だなぁと思いながらも再度鏡に映った自分であろう姿をマジマジと見る
小学生にしては珍しい大人っぽい顔つきにこれでランドセルからったら犯罪だろうと笑ってしまった
もう少し良く周りを見ようと立ち上がった瞬間 部屋のドアからコンコンっと音がした