第8章 どんな君も=佐野万次郎
「いや、あんなに酔っ払うのは滅多に…」
「でもあんなに他の人の前で酔っ払わないで」
「ご…ごめん」
あまり記憶はないが、きっと人前でみっともない姿を晒したのだろう
シュンと項垂れるの頭の上から小さくマイキーが呟くのが微かに聞こえた
「あんなの、他の男共がの魅力に気が付くだろーが」
「…ん?」
意外な言葉には思わず顔を上げてしまった
冗談で言っているのかと思ったが目が冗談を言っているような目ではなかった
「あ…あの…」
「あんな無防備な 好きにならないわけないだろっっ」
「…おーい…」
どんどん何かかけ離れていくマイキーの言葉には焦ったように声を掛けた
「じゃあ怒ってないの?」
「怒る?俺がに怒るわけ無いだろ」
その言葉には改めてほっとした
「寧ろの本音が聞けてすっげぇ嬉しい」
そう言いながらマイキーはから貰ったココアをゴクゴクと喉に流し込む
「え?ホンネ?」
「ほら、よく言うじゃん 酔っ払うと本音が良く出るって」
その言葉にの頬がみるみると赤くなった
「あっ!いやっ!その…あれはっ…」
慌てて言い訳を考え様とするの姿にマイキーは嬉しそうに目を細めた
「そうやって顔を赤くする姿も俺の前でだけだったらいいのに」