第1章 喧嘩するほど仲がいい?=佐野万次郎
「だ〜か〜ら〜無理だって!!」
「何でだよっ!」
夜の神社の広場でもう何度目かの言い合いが響いた
「何が気にいらねーんだよ!」
「気に入る気に入らないの問題じゃない!」
押し問答をする声は今夜もよく響く
「…まだやってんの?」
「アイツらも飽きね〜な」
呆れたような口調で頭をガシガシ掻くのは東京卍會の副総長 龍宮寺堅だ
「いいんじゃねーの、アレがアイツラの愛情表現だろ」
その隣で楽しそうに笑いながら見ているのは三ツ谷隆だ
「何で集会は楽しそうに来るのにこれは駄目なんだよ!」
「集会は危なくないし楽しいから!」
かれこれこの言い争いを30分以上続けている2人の周りにはチラホラしか人がいなくなってしまった
「おーい、マイキー俺達そろそろ帰るぞ」
そう声を掛けたのは長髪で八重歯が特徴の場地圭介だ
マイキーと呼ばれた男はこの東京卍會の総長で同じ様に言い合いをしているの恋人でもある
「ほら、場地達も帰るみてーだから俺達も帰ろう?」
「…帰るけど絶対嫌だよ?」
「何で俺のバブに乗ってくれねーんだよ!」
そして今夜もマイキーの声が夜空に響く