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キミしか見えない【東京リベンジャーズ】

第6章 距離の温度=羽宮一虎



は慌てて部屋に戻るとほこほこと湯気が出ている露天風呂を見つめた


「こんな立派な露天風呂 ちゃちゃっと入ったら勿体ないじゃない」


折角の圭介の気遣いを短時間やそこらで費やしたら失礼だと思ったは明日の朝一番に朝日を浴びて露天風呂を堪能しようと心に決めていた


「…というわけで 今日の夜は大浴場〜」


誰もいないのにそう口にしながら いそいそとお風呂の準備をした






1時間後 は大浴場は大浴場としての醍醐味を満喫したのか満足そうな顔で部屋に戻ろうと足を進めた


すると、遠目で女の子達に群がられている男の子がいた

(うっわ…こんな所に来てもモテる人って大変なんだなぁ)

などと思いながら反対方向へと行こうと くるっと背中を向けたと同時に聞き慣れた「チリン」という鈴の音が耳に入ってきた


「…っ!?」


思わず反射的にくるっと振り向くと そこには見知った人物が囲まれていた


「か…一虎…」



群がる女の子達の真ん中にいるのは確か夕食を一緒にして 満足して寝てしまっていた羽宮一虎だった


(な…何でここに?)


気が付かれないようにそ〜っと再度向きを変えるとゆっくりとその場を離れようとした


あの場面で声なんてかけられたら針のむしろだ!


は面倒事は極力起こしたくないから早くこの場を立ち去ろうとすると 遠目からなのに一虎とバチっと目が合った


「おいっ、何無視して行こうとしてんだよ」


一虎の声に女の子達の視線が一気に集中したのがわかった


これは…値踏みされるとが思ったと同時に上から下までジロジロと視線が刺さるのがわかった


「いやぁ…お邪魔かなと思いまして…」


「何言ってんだ?折角待ってたのに」


ムスっと不服そうな顔の一虎に首を傾げた


「待ってた?何で?」


一緒に来たのならまだしも一虎は部屋で寝ていたじゃないか

「の部屋の露天風呂に入りに」


「…は?」








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