第2章 マンション
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〜…〜…〜♪
(…誰か…歌ってる…?)
♪〜…〜〜♪♪
(あぁ…いい声だなぁ…それに、なんかいい匂い…布団もふわふわで……ん?)
俺は心地よい歌声と、柔らかい布団の中で目を覚ました
(ふわふわの布団……あれ?)
目を開けると、白一色の見知らぬ部屋
(…何処だ、此処…えっと、確か昨日………!)
「Σだあぁあっ!!」
(思い出した!此処はっ…!!)
俺の雄叫びと共に歌声が止まり、少し間が空いて隣の部屋から声がした
「…あ、起きた?」
慌ててベッドから飛び起きて、部屋の戸を開ける
其処には、芳ばしいコーヒーの香と共に、眩しい笑顔の君がいた
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「すいません、勝手にベッドで寝てしまって…」
昨夜、俺は大野くんが眠った後
どうしようもない睡魔に襲われて、デッカイベッドだから大丈夫だろうなんて
図々しくも、ベッドの端っこに潜り込んで寝てしまったのだ
(いくら酒が入っていたからといえ、櫻井翔、一生の不覚っ…!!)
「んーん、ぼくの方こそごめんね」
大野くんが申し訳なさそうに、淹れたてのコーヒーを俺に手渡しながら言った
「相葉ちゃんから聞いたょ///」
大野くんが、ちょっと恥ずかしそうに話し出した
「相葉ちゃんに頼まれて送ってくれたんでしょ?
僕、相葉ちゃんトコに行ったのは覚えてたんだけど…
…流石に目が覚めて、知らない人が目の前で寝てて、ビックリしちゃった///」
(知らない人……軽くショック(泣))
「…いや、本当にすいません……でも、神に誓って何もしてませんから……あ゛」
言ってからしまったと思う
男同士なんだから、普通に何もある訳が無い
自分で“下心が有りました”って言ってる様なもんだ
「うふふ…えっと、櫻井さん、だっけ?」
「へい?」
情けなくてガックリ頭を垂れていた俺が顔を上げると、超絶可愛く照れ笑いしながら君が言った
「ごめんね?ありがとう///」
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