第2章 マンション
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(Σぁああっ!!だからっアナタはっ!!可愛過ぎるからあっっ///!!!)
「でぃやっ!あのっ!おぁ俺がそのっ!んだだ大丈夫ですからっ!!///」
(狼狽え過ぎだろ俺…(汗))
思いっきり挙動不審になる俺を見て、大野くんがクスクスと笑った
「んふふ、櫻井さんってさ、なんか面白い人だね♪」
(…面白い人?それは…)
良い意味なのか?
悪い意味なのか??
──ぐきゅるるる〜〜
大野くんの言った事の真意を考えていたら、急に俺の腹が何とも下品な音を出した
「/////」
(ぐぉぉっ!恥ずかすぃいっ!…んでも腹へった///)
俺は赤面しながら時計を探した
(大体、今何時なんだ…って、あれ?)
「あの…この部屋、時計無いんですか?」
時計どころか、テレビも無いし…
「ん?時間知りたいの?」
大野くんが携帯電話を見て時間を教えてくれた
「んーと、10時ちょいすぎだよ」
「あ、もうそんな……」
(どうりで腹が減った訳だ)
…しかし、初めて来た他人の家で昼前まで爆睡する俺って…
(返す返す情けない)
「あのさ、櫻井さんってさ、今日仕事休み?」
「…はい?」
確かに今日は土曜日で、会社は休みだ
「ええ、まあ」
「良かった♪」
君はニッコリ微笑むと言った
「良かったら、うちでお昼食べてかない?
昨日のお詫びとお礼にご馳走するからさ
僕、ちょっと料理には自信があんだ♡」
(料理に自信?…てことは、大野くんの手料理か?!)
「およよ喜んでごちしょうさせて頂きますっ!!///」
余りの嬉しさに、噛んだ上、声まで裏返る
「…ぷっ…あははははっ!ホントに面白い人だねぇ!///」
「いやいや、ははは…」
無邪気に笑う君を見ながら、不意に昨夜の君の涙を思い出した
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『……行かないで……潤くん……いっちゃいやだ……』
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(こんなに可愛い人を、あんな風に泣かせるなんて…)
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俺は、大野くんの涙の訳を想い…見知らぬ彼の恋人の事を思ったら
何だか、腹立たしくて
……悔しくなってしまった
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