第15章 始まりの過去1
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教授は、僕が松本くんに追いかけられるのを
「青春ですねぇ。
いや、若いと言うのは、良いものですね」
なんて言って
全く気にも止めて居ないようだった
僕は、そんな教授に対して
ちょっとくらい、ヤキモチを妬いてくれても良いのになぁ
もうちょっとシツコくされたら、ヤキモチ妬いてくれるのかなぁ?
…なんて、ちょっぴり思いながらも
やっぱり
彼氏の居る身で、他の男に追いかけ回されるのは良い気がしなかった
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で、僕はある日
意を決して、松本くんに自分には恋人がいる事をほのめかした
…の、だけれど
その彼から、思いがけない言葉が返ってきた
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「…それは、女性ですか?男性ですか?」
「…ずいぶん失礼な事訊くんだね」
まさか、そんなコトを訊かれると思っていなかった僕は
ちょっとふて腐っていた
その僕の様子を見て、松本くんが慌てて謝る
「はっ!ごめんなさい…」
僕は慌てる松本くんをチラッと見てから、ふて腐れたまま言った
「…男だけど」
「え?」
「…男だと思ったから訊いたんでしょ?
…付き合ってるのは、男の人…彼女じゃなくて、彼氏」
「あ…」
「満足?」
別に気にしてないけどさ…僕って、オカマっぽいのかな?
なんて
何だかチョット情けない気持ちでいたら、また思いがけない言葉が…
「じゃあ、俺にも望みはあるわけですね」
(………何で、そうなるの?)
僕は、どうゆう訳か、ドヤ顔の彼を
不思議な気持ちで眺めた