第14章 傷痕
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「智くん、今度の俺の休みに、旅行いかない?」
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いつもの土曜日
俺の狭いアパートで、この家の何処にこんな旨いもん作る材料あたんだ?
って位美味しい智くんの手作りランチを食べながら
俺は、兼ねてから考えていた話を切り出した
「…旅行?」
唐突な話しに、小首を傾げる智くん
相変わらずのメガカワユスっぷりだ
「うん、俺さ、有給たまっててさ
んで、連休取ったんだよ」
「そうなんだ…翔くん、口入れ過ぎ」
智くんがティッシュで俺の口を拭いてくれる
「だって旨いんだもん!」
「ふふっ…今度って?」
「来週。二泊三日でさ…温泉とか?」
「…温泉…かぁ」
温泉と聞いて、智くんが益々可愛いく首を傾げた
「そう言えば僕、高校の修学旅行以来、行ってないなぁ」
「ぇえ?嘘!マジ?!なんで??!」
そんなに長らく温泉に行っていない日本人が居たとはと、超前のめりになる俺(←どんだけ(笑))
智くんはそんな俺を見て、恥ずかしそうに言った
「……笑わない?///」
「うん!なんでなんで??」
「……風呂場でヤられそうになったから////」
「……………え゙」
…智くんそれ、笑える話じゃないよ(汗)
「…へ、部屋に露天風呂とかある宿探そうね…」
「そんなに急に宿取れるの?」
「シーズンオフだから、ダイジョブじゃね?」
「ふぅーん」
「ね、行こうよ!」
「ん〜……」
智くんはちょっと難しそうな顔をして暫く考えてから
「いいよ」
と、言った
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