第13章 君のために出来ること
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痛い…
君を想って
君の痛みを想って
胸が痛いよ
結局ゲーム本体とソフト二本も買わされたけど
そんな事、比べようが無い位胸が痛いよ
…ベッド買ったばっかで財布的にも痛いけど…
相葉くん…今度奢ってね(←なぜ)
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ニノが帰った後、俺は1人あてもなく、とぼとぼと歩いていたのだが
気が付くと其処は
いつも智くんと来る公園だった
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「…………」
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“浮気しても何をしても、潤 くんは僕と別れない”
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初めてのデートの日君の言った台詞
あの時、君はどんな気持ちで俺の告白を聴いて居たんだろう
それを想って
また、胸が痛んだ…
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「…………はぁ」
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俺は一人
溜め息をつきながら公園のベンチに座った
すっかり暗くなった空を、ぼんやり眺めながら
智くんと松本くんの事を考える
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松本くんは、智くんを手放す気は無いんだ
結婚しても
子供が出来ても
…誰かを傷つけても
君をあの、広くて寂しいマンションの一室に閉じ込めて
ずっと、ずっと…
自分の元に置いておきたいんだろう…
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智くんは、それを、受け止めて…
その身体に呑み込んで……
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なんて…哀しいんだろう
きっと、お互い苦しいはずだ
愛すれば愛する程、辛くなる…
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こんな哀しい事ある……?
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だから
君はいつも寂しそうだったの?
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きっと
ずっと彼が傍に居た筈なのに…
二人で居ても、寂しかったんだね…?
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「…智くん…俺…君のために…何がしてあげられるかな…」
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俺に出来ること
俺がしてあげたいこと…
……それは
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(智くんを笑顔にしたい…いつも…笑っいて欲しい)
俺に出来るか解らないけど…
「俺……智くんに、何時も笑っいて欲しいよ…
…悲しい顔はさせたくないんだ…
…いつも…いつでも…
…君が笑うと…
…俺は、それだけで………幸せだから…」
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ぼんやりと見つめている遠くの空で
静かに
星が煌めき始めた
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