第11章 言えない関係
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「え?」
「…ダメ?」
「駄目って…いや、だって」
「……ダメなんだ」
智くんは口を尖らせてぷいっとそっぽを向いた
「いやいや、だってさ…」
「……冗談」
「…は?」
「…だったら良いなって…思っただけ」
智くんはそっぽを向いたまま言った
ちょっと猫背になった背中が、異様なほどに保護欲をそそる
「(あ〜、くそぉ…可愛いなぁ///)…じゃ、今日泊まってく?
…メッチャ狭いけど」
「えっ?…いいの?///」
「…智くんさえ良けりゃ…メッチャ狭いけど」
「やったぁ!翔くん大好きぃ♡」
智くんは嬉しそうに俺に抱きついた
そりゃあもう、バカみたいに可愛い。
「////そんなに嬉しい?」
「うんっ!だって、朝までずぅっと一緒に居られるじゃん///」
嬉しそうに俺の胸に顔をすりすりする智くん
だから、ばっかみたいに可愛い。
(はあぁ〜、智くんアナタ、これ以上俺を夢中にさせてどうするつもりだよ///
…もう、こうしてくれるっ!!)
ギュウ〜〜〜っ!!
「んふぅぅ〜〜っ!じょうぐんっ…ぐるちぃ…」
「智くんが可愛過ぎるのがいけないの!///」
「やあぁ〜ん、何しょれぇ〜///」
「やーん、じゃ、ありません!!///」
「うう〜…じゃあ、あぁん、いやぁ〜ん…とかは?」
「…わざと煽ってる?」
「…わざと煽ってる♡」
…何気に小悪魔智くん
「…乗ってやろうじゃないの」
「あ///」
智くんは一瞬、ヤバいって顔したけど、もう遅いよ
部屋も片付いたし
…でもやっぱ、シングルベッドはキツイかな?
多分セミダブルくらいなら入るから、今度一緒に買いに行こう?
だってほら、デートの日はきっとうちにお泊まりでしょ?
俺も、朝までずっと一緒に居たいからさ…ね?
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そんな事を思っていたこの時の俺は、ただ、目の前の幸せに酔っていた
でも
俺たちの関係は
決して、赦されるものではないのだと言う想いは
常に俺達に付きまとっていたのも事実だった。
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