第6章 初デート
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「うん、だね。そろそろお昼行こうか?
てか、何食べたい?大野くん好き嫌いとかある?」
「んー、別にないけど…あ、ゲテモノはムリ!」
「…いや、それは、俺も無理だから(汗)」
大野くんてば…天然なんだから///(←ソコがまた可愛いとか思っている)
「あ、僕お魚好き!お魚がいいな♪」(←お魚マニア(笑))
「魚かぁ、魚介パスタの美味い店なら知ってるんだけどな…」
「そこでいーよー♪」
「じゃ、行こうか」
「うんっ」
行き先が決まったところで、大野くんが、また俺の手を握った
「………」
大野くんに手を握られて
嬉しいのに…心がざわざわした
(…いいのかな…こんなこと…だって君は…)
「………なんか、さ」
(…やめろ)
「こんなとこ……さ」
(…駄目だ、口に出すな)
「彼氏に、見られたら……」
—ぎゅっ
君の手が、俺の手を強く握りしめた
「…相葉ちゃんにきいたの?……潤くんのコト………全部」
歩き出した足が止まる
「え、えっと…」
それは、大野くんに彼氏が居ることとか
その彼が結婚してることとか
…その彼に、囲われてることとかの事だよ…ね?
「…まあ、その………多少…」
他に、なんて言っていいか解らなかった
大野くんの俺の手を握った手に
更に、グッと力が入った
「…僕は、卑怯なんだ…
…櫻井くんが僕の事想ってくれてるの知ってて…
………利用してるんだ」
「違うよ!大野くんは悪くないよっ!!だって誘ったの俺だし…!!!///」
「…違わない…潤くんのこと聞いてるんでしょ」
君は潤んだ瞳を俺に向けた
「…僕は、潤くんと別れられない…
…浮気しても何をしても…
…潤くんは僕と別れないと思う…
…それが解ってて、櫻井くんと逢ってる」
「……」
「…僕は、ひどい奴なんだ…」
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公園の木々がサワサワと風に揺れている音が
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やけに
大きく響いていた
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