第6章 初デート
.
「…え?えっ??/////」
思いがけず手を握られて狼狽える俺を見て、大野くんは掴んだ手をパッと離した
「……ごめん、僕嬉しくてちょっとテンション上がっちゃって……
……おじさんと手ぇ繋ぐのなんか、キモイかったよね///」
申し訳無さそうに俯く大野くん
俺は慌てて訂正を入れた
「おおっ…オジサンだなんてっ!!////」
「だって、僕もう30だし」
「そんなのっ!俺だってもう29だしっ!!
そんじょそこらの女子より大野くんのが百万倍可愛いしっ!!!////」(←超力説)
「えへへ、ホント?///」
俺が鼻息も荒く熱弁を振るうと、大野くんがちょっと照れて笑った
可愛すぎること、この上もない
「かかか神に誓って!!/////」
「…大袈裟////」
照れ臭そうにそう言うと、大野くんはまた俺の手を掴んで
「じゃあぁ、ぶらぶら〜…いこっ?///」
って、華が舞い散る様な笑顔をくれた
「うんっ!行こうっ!!////」
「ふふふ///」
俺たちは近くの公園に向かって歩き出した
.
.
土曜日のお昼前の公園は人気も疎らで長閑な空気が漂っている
俺たちは公園のベンチに座って取り留めのない話をしていた
「—そんでさぁ、相葉くんに誕生日にウイスキー貰ったんだけどさ、なんか高そうなやつ」
「うん」
「『櫻井くんこれイイやつだからストレートで飲んでね』
って言うからさ、言われた通りにストレートで飲んだら、これがスッゲー強くてさ」
「うふふ」
「もう一口二口で回っちゃって目ぇ開かないの」
「うふふふ、それ僕も貰ったやつかも、ホントに二口くらいだよね…なんかもうこんな感じで…」
大野くんは言いながら横に倒れるフリをした
「そうそうそう///」
(…あぁ、なんか、デートって感じ…
…いいのかなぁ、こんな幸せで///)
幸せに浸る俺の隣で、大野くんがお腹をすりすりしながら言った
「あー、楽し♪…ね、お腹空かない?」
.