第3章 籠の鳥
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(なんか、本当に楽しいヒトだったなぁ///)
急に大きな声を出したり
(裏っ返っちゃうし)
ご飯を口いっぱい頬張って食べたり
(喉に詰まらせちゃうし)
眉を思いっいり下げてイケメンが台無しってくらい、顔をくしゃくしゃにして笑ったり…
(昔好きだった人に似てるんだ…好みだったりして///)
挙げ句、スキップしながら帰って行った楽しいヒト
(成人男性のスキップなんて、生でみたの初めてかも(笑))
櫻井さんのコトを思い出して込み上げる笑いを堪えて居たら、ニノが言った
『へぇー…珍しいじゃん潤くん以外の男に興味有りげ…やっぱナンカあったでしょ?』
「…何にもないってば」
『いや、櫻井さんじゃなく、潤くんと』
「……」
(ニノは鋭いな…まあ、当たり前か…僕が泥酔する原因なんて、大抵潤くんだもんね…)
「うん…まあ…」
曖昧に返事をすると、電話の向こうからため息が聞こえた
『やっぱりね、言いたかなかったらいいけど、俺で良ければ何時でも話し聞くよ?』
「……」
僕は暫く黙っていた
でもニノは、何も言わずに待っていてくれてる
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「……あのね」
長い沈黙の後、僕は口を開いた
「…潤くん、ね……暫く会えないんだって」
『ええ?!何で?潤くんが?大野くんちゅー毒の、あのエロ潤…もとい松潤が?!』
エロ潤て(汗)
『潤くん出張とか?あ、社長が自ら行かないか』
「うん…奥さんに…ね」
“奥さん”
口に出して言うと胸が痛む
…嫉妬と、罪悪感
「……赤ちゃんが……
………出来たんだっ、て」
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