第2章 心をさらったあなたへ
裂かれた腹の熱と激しい痛み
苦痛に灼かれる体に時折
冷たい何かが触れる
触れる箇所から痛みが吸い取られていくようだった
(死ぬのか、俺は)
朦朧とする頭の端で冷静にそんなことを思った瞬間、腹に火箸を差し込まれたような痛みが走った
「ゔぁああっっっ」
耐え難い痛みに身を捩り、痛みの元から逃げようと力任せに腕を振り回した
「はっ、はっ、はっ、はっ…」
「動かないでください。死にますよ」
坦々とした声が降ってきた
不意に唇にひんやりと柔らかな感触が触れ、濃い水の匂いに頭がぐらりとしてそのまま意識を手放した