第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
「んふふ…杏寿郎さぁん…」
自ら杏寿郎さんの胡座の間にすっぽりと収まりに行き、後頭部を厚い胸板にグリグリと擦り付ける。
「…かわいいな」
そう。私は酔っ払っている。400mlの瓶を美味しい美味しいと1人で飲み干し、立派な酔っ払いに成り果てた。
「こら。あまり動くと酒が溢れてしまう」
杏寿郎さんは追加で徳利を2本頼んでいたが、それでもまだほんのり頬が赤くなっている程度で私とは違い"酔っ払い"という感じは微塵もない。
「むぅ…嫌ですぅ。お酒よりも私を構ってくださいぃ…!私よりもお酒が好きなんですかぁ…?」
「そんな事はない。君が1番だ」
杏寿郎さんはフフッとおかしそうに笑っている。
「本当ですかぁ?嬉しい!…杏寿郎さん大好きですぅ…」
私は体の向きを杏寿郎さんの方に変え、胡座をかいている杏寿郎さんの足に股がり、今度は頬をスリスリと胸板に擦り付ける。
「…よもや…こんなにかわいい生物が生まれるとは…」
「かわいいって…杏寿郎さんのことですかぁ?」
「俺のわけがないだろう。ナオ、君のことだ」
そう言って杏寿郎さんは私の頭を優しく撫でる。
頭がふわふわして気持ちが良い。
もっともっと、杏寿郎さんに触ってほしい。
もっともっと、杏寿郎さんに触りたい。
フと目に止まった、杏寿郎さんの赤い唇。
「んふふふ…杏寿郎さん…」
「なんだ?」
「…杏寿郎さんの唇…甘くって美味しそう…」
私は杏寿郎さんの両頬を両手でムギュッと挟み、
「むっ!?」
と驚いている杏寿郎さんの唇をペロリと舐めた。
「…っ!」
杏寿郎さんは驚き、目を見開き固まっている。
「ふふふ…杏寿郎さんの顔、かわいい…」
杏寿郎さんの驚いた顔も、ピシリと固まってしまった身体も、愛おしくて愛おしくて、私はもっと杏寿郎さんのそんな顔が見たいと思った。
頬から手を離し、今度はその首に腕絡ませる。
「…ちゅう…しても良いですかぁ…?」
「…好きにすると良い…」
「ふふっ…それじゃあ、いただきまぁす」
私は、杏寿郎さんの唇にかぶりつくように口付けた。
ちゅ…ちぅ…ぷちゅう
ちぅっと音を立てて唇を離し、チラリと見た杏寿郎さんの目は
「…杏寿郎さん…興奮してるでしょぅ…?」
「…こんな事されて、そうならない訳がないだろう」
ギラギラと欲を放っていた。