第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
へたり込みそうになる私を抱きとめた杏寿郎さんは、そのまま私を抱き上げ、私が身体を洗っていた際に使った椅子へと私を座らせた。
「寒くはないか?」
「…熱いくらいなので…大丈夫です…」
「それは良かった。少し待っていなさい」
そう言うと杏寿郎さんはガラリと扉の音をたて、1人部屋の中へと戻って行った。湯の暑さと余韻で急激な眠気に襲われた私は、"こんな姿見られたら呆れられるかな"と思いながらも、椅子から降り、その椅子に突っ伏し目を瞑った。
再び扉の音がし、杏寿郎さんが戻ってきたことはわかっていたが、半分眠りに落ちかけていた私は起き上がる事が出来ない。
「こら!そんな所で寝るんじゃない!風邪をひいてしまうだろう!」
そう言って杏寿郎さんは私の身体を起こし、部屋から持ってきたと思われるバスタオルで私の頭と身体をゴシゴシと拭いてくれた。
「まったく…君は昔から何処でも寝れる質であったようだが、まさかこんな所で、そんな格好で寝ようとするとは」
「…すみません…つい…」
半分は杏寿郎さんが原因なのだから、そんなに目くじらを立てないで欲しい。私の身体を拭き終えた杏寿郎さんは、グっと私の身体をその力強い腕で抱き上げ、私を抱いたまま器用にも扉を開け閉めし、部屋の中へと連れていかれる。
そのまま布団へと運ばれドサリと寝かされてしまった。杏寿郎さんにタオルで拭いてもらったとは言え、敷布団を濡らしてしまっては大変だ。慌てて身体の下を確認すると、敷布団の上にはしっかりとバスタオルが敷いてあり、濡れない様に準備がされていた。
成る程。さっき杏寿郎さんはこの為に先に部屋戻ったのか。流石、相変わらず育ちが良いな。
そんな事を心の中で思っている間に、私を押し倒すかの様に杏寿郎さんが馬乗りになり、私の視界は杏寿郎さんで一杯になった。
「…あの…杏寿郎さん…?」
「なんだ?」
「…もしかして…ここでもう一回…するつもりなんですか?」
その答えは、聞かなくてもわかる様な気はしたが、どうしても聞かずにはいられない。
「うむ。先程は早く終わり過ぎてしまったからな!…次こそはナオを満足させてあげよう」
そう言った杏寿郎さんの目に、露天風呂で感じていた欲が再び色濃く浮かび上がり、私の身体はその目を見ただけで、先程までの疼きをあっという間に取り戻してしまった。
