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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第11章 待ち侘びた日々


そうだ。何もそんなに急ぐ必要はない。だって今は命をかけて戦う必要も、明日はもしかしたら会えないかもと怯える事はないのだから。

「…そうですね。動物園に水族館、海に温泉。私も杏寿郎さんと2人で行きたい事、したい事が…山ほどありました」

私を抱き抱える腕にすりすりと擦り寄り、その確かな存在を感じる。

「うむ!では先ず結婚式だ!俺は今度こそナオの晴れ姿をこの目に焼き付けたい!」

"晴れ姿"。その言葉を聞き、フと前世での記憶が私の脳裏に蘇る。幸せいっぱいな気持ちで袖を通すはずだった、杏寿郎さん用にあつらえられた紋付袴と、真っ白で美しい刺繍が施された私の白無垢。手元に置いておくのか辛くて、私はアレを手放してしまった。

過去の記憶に囚われ、ギュッと胸が苦しくなる。

「大丈夫だ。俺は今、ここにいる」

そんな私を安心させるかの様に、杏寿郎さんは私を抱き抱える力を強くする。

「…はい」

そうだ。今、杏寿郎さんは私の夫として側にいてくれている。過去に囚われてる必要なんてない。上を向き、目をつぶって口づけを強請ると、"ちゅっ"と、優しい口づけが落とされ、私の心にあった恐怖心はあっという間に消えて無くなる。

「杏寿郎さん」

「なんだ」

「私、紋付袴と白無垢を着て、2人だけで…お式を挙げたいです。槇寿郎様と瑠火様のお許しが頂けるのであれば…ですが」

私のそのお願いに、杏寿郎さんはクルリと私の身体を回転させ、向かい合わせの姿勢へと体制を変える。

「君の望みとあらば俺は喜んでその提案に乗ろう!父上も母上も反対する事は恐らくない。だが、ナオの両親はそれで良いのだろうか?娘を持つ親としては、その晴れ姿を拝みたいと思っているのではないか?」

「その点については問題ありません。父も母も結婚披露宴はせず、2人だけで新婚旅行を兼ねて海外挙式をしたと言っていたので。自分達がそうしておいて、娘の私にダメとは言えないはずです!」

そう自信満々に答える私に、杏寿郎さんはまだ納得がいかない様な表情をしてはいるが

「うむ!では俺たちもそうしよう!どこか雰囲気の良い神社で、2人きり、俺は紋付袴、君は白無垢を着て式を挙げよう!ついでに温泉宿が側にあれば最高だ!」

「わぁ!それ最高です!早速調べてみましょう!」

「うむ!だが今日はもう遅い!調べるのは明日からだ!」

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