第11章 待ち侘びた日々
ちうっ…
軽い口づけから始まったかと思うと、舌を口内に差し込まれ、深くなっていく口付けに、毎度のことながら溺れそうになる。
ちゅ…っ…ちぅ…
杏寿郎さんの腕が裾から差し込まれ、私の胸をやわやわと触る。
「…今日は、下着を付けていないのか?」
「っん…急いでて…着けるのを…っふ…忘れ…ました…っ…」
「そうか。触りやすい故、俺は着けない方が嬉しい」
そう言いながら、杏寿郎さんは私の胸の中心を弄る。
「…着けないと…んぅ…形が崩れるらしくて…っあ…」
「そうか。確かにそれは困る。ナオの胸は触り心地が良い」
杏寿郎さんの長い指と、大きな掌では片手でも私の両胸が触れてしまうようで、両方の胸を刺激され私の熱は急激に増す。
「…っあぅ…両方は…ズルい…っん…」
気持ちが良くて、けれどももっと気持ちが良くなりたいと身体は正直で、自然とその先の刺激を求める私は、膝をモジモジと擦り合わせる。
「…ズルくて結構」
「…んぅ…もう…挿れて…」
散々解され、もう我慢が出来ずそうねだる私をジロっと一度見た杏寿郎さんは、一旦布団を離れ、座卓の引き出しの奥にしまってある避妊具を取りに行く。
…ゴム…するんだ。
前世では避妊なんてした試しなかったのに(命をかけた戦いをしていた故の子孫を残したいた思う本能だったのだろう)、今世では毎回必ず避妊具をつける杏寿郎さん。私はそれが少し気になっていた。
重い身体を起こし、杏寿郎さんの身体を追いかける。ギュッとその腰にしがみつき
「…直接…杏寿郎さんを…感じたい…」
聞こえるか聞こえないかと言うほどの小さな声で呟いた。ピクリと杏寿郎さんの身体が反応したことから、その声が確かに杏寿郎さんの耳に届いたことがわかった。
「…ナオ…っ」
切羽詰まったような声で、私の名を呼ぶ杏寿郎さん。
「…私に……杏寿郎さんの…子種を…下さい…っ…」
「…っ!!!」
恥ずかしくて死にそうだった。でも、それが嘘偽りのない私の気持ちだ。杏寿郎さんはガサリと避妊具を握りしめ、私をひっぱり布団へと急ぎ戻る。
「…んむっ…ふっ…」
今日1番の激しい口付けが私を襲う。
ちぅっ…と音を立て、杏寿郎さんの唇が離れていく。
「君は…本当に俺を煽るのが上手すぎる」
そう息を荒くしながら杏寿郎さんは言った。