第11章 愛されたい × ただそれだけ

あのとき、浮気なんかしなきゃ良かった。




そんな後悔しているのに
私はすぐに他の男に乗り換えた。


手を伸ばせばすぐ届くような男へ。





そして、私は見せつけるために
いつも智の前でいちゃついた



なんで？こんなことするの？




俺は、確かにあの時は好きだったんだよ？





その一言で、私は報われたのに。


この歪んだ気持ちを元通りにできたのに
当たり前、そんなのは言わない。



睨みつけて、素通り





キスだってハグだって、
もちろんその先だってした


媚び売るだけの女子グループで
あからさまに大きな声で話していても



彼は知らんぷりをした






ムカついた、
こっち向いて欲しいのに。


なんで、なんで何も言わないの？




そのイライラを最近話題の可愛い子へ
それはイジメに等しい行為でぶつけてしまった


泣いてた。
でも、決して学校を休まなかった




智は、間違いなく彼女を庇った。





「馬鹿みたいなことすんなよ」




いつしか、私は独りぼっち。




欲しかった。


またあの日みたいに笑いかけてよ






好きだよって、一言で良かったんだよ

私は、その言葉が欲しかった。
ねえ？どうして気づいてくれないの


どうして、気づかないふりするの！





「俺は好きじゃない」







もう浮気なんかしない。
反省だってしたんだ

まだすきなの、



一方的じゃあ実らないんだよ、
片思いじゃ意味ないんだよ...




愛さえあれば、なんだって乗り越えられる

誰かが言ったその言葉は、
いつも私を苦しめイラつかせる。



愛あっても、乗り越えられない壁もある






片思い止まり、


片思いにすらならない、
恋とは呼べない汚れた想いは、



いつしか前よりも、歪んでしまっていた。