第1章 幼馴染み氏 × 私
周りがうるさいので(特に右隣ね)、
私は廊下へ出た
教室に居たってつまらないし。
つまらない理由は、
騒いでうるさい女子にあるんだけどね
『ちょちょ、仁坂(貴女の苗字)さん!
このプリント、職員室までよろしくね!』
いきなり教室から出てきた担任に
いきなり職員室までと頼まれた。
なぜ私なんだ!!
「俺も手伝う。」
ひょいと持ち上げられ、
思わず伸びてきた手をたどると、
恐らく寝ていたはずの彼が居た
「大野智、っていうんだ。よろしく」
にっと笑った笑顔にたまらなく癒される。
さりげない優しさとは、
きっと彼みたいなことを言うんだ。
「ありがとう、大野くん」
「おう。いいってことよ、幼馴染みちゃん」
「愛里ですッ!!」
知ってるよ、と先に歩き出す大野くん。
やっぱり彼はよくわからない。
マイペースな人なんだろうな...。
抱えたプリントを持ち直して
大野くんの後を追った。