第5章 片思い × スレ違い
隣で微笑むのが私じゃ駄目なのかな。
ギュッと抱きしめてあげるのが、
貴方を支えてあげるのが、
私なんかじゃ駄目なのかな。
モヤモヤする。
「ちょ、どこ行くんですか」
「ついて来ないで変態。」
「はあ?心配してやって…」
立ち止まって、彼の方を向く。
言葉が詰まる。
「あんたの心配なんて要らない」
和也は眉間にシワを寄せ、
「意味わかんねぇっ!!!」
後ろでそう叫んだ声にも振り向かず、
私はひたすら歩いた。
誰にも分からないこの気持ち。
きっと和也にも分かりっこない。
叶わないって分かっていながらの恋は。
それでも好きでいたいって恋は。
「和也にはわからないよ」