第3章 私 × 生徒会長
和也はしばらく拗ねていた。
それを面白がってちょっかいをかける櫻井先輩
このコンビはなかなか面白いなーと
ニヤニヤ笑ってると、
「俺、入学式で愛里ちゃん見たよ~
初々しくて可愛かったね~♪」
「うっわー、先輩、変態ですかー」
「失礼な。ちょっと見てただけだよ!」
……ん?
図書室内が静まり返る。
5秒ぐらい固まったあとに和也が
「見てたの?」
ムスっとしたまま言うから、
慌てて櫻井先輩は訂正し始める。
「いや、正確には見えた!っていうか
見つけた!っていうか…、
そんな怒んないでいいじゃん……」
シュンとする櫻井先輩に
やはりムスっとした和也が問い詰める。
(ただ櫻井先輩で遊んでるだけ。)
「白状したらどうなんです?
嘘ヘタ過ぎて笑えて来ますよ」
「ち、ちがっ…!
本当だから慌ててるんだよ!
てか和の目が怖すぎるってば…;」
確かに和也の口元は笑ってるけど、
目が怖すぎる。本気すぎる。
横に座ってる私でさえ、怖い
「まあまあまあ。
そんなことよりもさー」
「そんなことじゃない!」
突然大声を出した和也に私達はびっくり。
再び沈黙が流れる。
和也はちょっと気まずそうに謝った。
「戻ろっか。」
そろそろチャイムが鳴るからね、と
ここで教室に戻る事にした。
さっきの大声の理由は一体なんだったんだろう。