第17章 宮寺先生 × あなた
あれから、先生は
集会で辞任する先生と紹介され
本当に辞めることになった。
「短い間の中、司書という先生を
する事ができ良い経験になりました。
慕ってくれた生徒の人達とは、
離れるというのはすごくつらいです。
が、私もみなさんも、
これからも頑張って欲しいと思います」
『えー。司書の先生は
引き続き宮寺先生にしてもらいます』
もう会えなくなるんだ。
忘れると決めたのに。
まだ苦しい。
なんでだろう、
校長先生達の話は、
まるで入ってこなかった。
集会が終わり、
戻っている途中で
鳴海先生が私を呼んだ。
「書庫から数冊、
本を持って帰るのに
大変だから手伝ってくれない?」
それは、確かな別れの時だ。
「はい。」
書庫に入るのは久々だ。
古い本がたくさん並んでて、
昔、読んだ本がずらりと並べられていた
「そこの本達は兄さん達のだから
持って帰るんだ。机に並べてて」
脚立に上り、一冊一冊を
丁寧に机に置いていく。
本当にお別れだ。
沈黙した空気を、
破ったのは鳴海先生だった。
「愛里ちゃんの
ことは好きだよ、」
「…分かってます、だから、
「異性としてだよ」
伸ばしかけてた、
手がピタリと止まった
必然的に先生と目が合う。
「元カノの件からだよ
本当、嘘じゃない」
「今さら、なんですか」
「…うん、でもこれは
僕の、自己満足だから良いの」
そう言って、鳴海先生は
並べられた本を大きな袋に詰める