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【MARVEL】This is my selfishness

第6章 6th




サムさんとバッキーと別れ、一度家に戻り、仕事に行くとロンさんと別にもう1人、薄茶の髪色をした男性が立っていた。



『おはようございます』

「ミアちゃん、おはよう。ちょうど良かったわ。紹介するわね」



そう言ってもう一人の男性をわたしの方へ振り向かせた。



「今日から新しく入ってもらうの。ほら、自己紹介してちょうだい」



ロンさんに促され、その男性がわたしと目を合わせる。



「アレックス・ログマンです。よろしくお願いします」



薄茶の髪をワックスで綺麗にスタイリングしたその人は、人懐っこそうな笑顔で手を差し出してきた。
その手を握り、『ミア・ミラーです』と挨拶を交わす。


「彼には基本的にバーテンダーとして入ってもらうけど、手が回らない時とか忙しい時はホールの手伝いもしてもらうからミアちゃんの仕事も教えてあげてね」



ロンさんにそう言われるけど、わたしの仕事内容自体は大したことないんだけど……項目が多いだけで一つ一つにはそんなに手がかからない。
しかし人手が増えるのは有難い。本当に手が回らない時もあるし。




「ちなみに彼、指パッチン組だから実質ほぼほぼミアちゃんと同い歳よ」

『そうなんですか?』


驚いてログマンさんを見ると、照れたように笑って「実はそうなんです」と言った。


「一応32歳で登録されてるけど実際は26歳なんです。だからあまり歳上と思わないでもらえると…」


後ろ頭を掻くようにして笑う彼は温和な印象を受けた。
『わかりました』と笑って応えるとログマンさんは安心したように口角を上げた。



自己紹介を交わしたのを見てロンさんが「バーテンダーの仕事説明するから、またあとでね、ミアちゃん」と言ってログマンさんを連れて行った。





ログマンさんはああ言っていたけど、6年前​─────指パッチン前というと私は20歳くらい。当時で言えばログマンさんは26歳でわたしより6歳上だけど、指パッチンで消えたログマンさんは登録の年齢だけが進み、中身は当時の26歳の彼で、その歳で言えばいまのわたしと同い歳……なんだか変な感じだ。歳上だった人にわたしが追いついているのだから。






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