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【MARVEL】This is my selfishness

第4章 4th




お店の裏口から入ると、店長兼バーテンダーのロンバルド・コーデリアさん​───通称〈ロンさん〉がいた。



『おはようございます』

「あんら〜!ミアちゃんおはよ!」




190cmの男性で、スキンヘッドのロンさんは人当たりが良く、誰にでも同じように接してくれる人だ。
高身長な人は黙られると威圧感があるけれど、ロンさんは基本的に優しく接してくれるのでそういった威圧感を感じたことがない。




『すごく綺麗になりましたね』

「そうでしょ?ついでに全体的にお掃除もしてもらったのよ」

『お手伝い出来なくてすみませんでした』

「いいのよぉ〜!だってあんだけグチャグチャになっちゃったら私たちだけじゃ片付けられないもの」



ロッカーに荷物を入れてロンさんとフロアに向かうと、わたしが引越し作業をするために休む前より綺麗になっていた。




実を言うと、わたしの長めのお休みは引越しのためでもあったが、それよりも前に店内がトラブルに巻き込まれ、営業できない状態にあったのだ。





「それにしてもスパイディちゃん、引き締まった良いお尻してたわぁ」

『えっ、よく見れましたね??』

「私のハンターアイは見逃さなかったわよ」とウィンクをするロンさんは美人なお姉さんとなんら変わりない。





そう、スパイディちゃんもといスパイダーマンがこのお店に入った悪者を倒してくれたのだが、その際の乱闘でお店はグチャグチャになってしまったのだった。
スパイダーマンのお陰でお金を取られることも誰かが傷つけられることもなかったが、お店を片付けるために出費はあった。
けれどロンさんはそのことに関して何も責めるような事は言わない。




「むしろこれからも頑張って欲しいわね。誰かが更生するきっかけになればいいし、もしかしたらスパイディちゃんがここで戦ってくれたおかげで二度と悪者は来ないかもしれないしね。おかげさまでお店も綺麗になったし!」



とのこと。
ロンさんはやっぱり良い人だ。






「それよりも私、あなたが少し変わった気がするんだけど」

『え?』

「本人に言っていいか悩むところだけど言っちゃうわね」



そう言われて、ジッと目を合わされると何を言われるのだろうと緊張する。





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