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【MARVEL】This is my selfishness

第14章 12th



「ただの酔っ払いだった」


わたしの言葉にそう返す彼の顔は嘘をついていそうな顔だった。
別に隠さなくていいのに。
バッキーがモテるのは仕方ない。だって見た目も屈強でかっこよくて、紳士的でいつも守ってくれるんだもん。好きにならない人は居ないと思う。
……そう考えると傷つきたくないとか言ってる場合じゃない気がしてきた。こんな風に今の関係が居心地いいからと足踏みしている間に、わたしなんかよりもずっと素敵な女性が現れるかもしれない。
そんな女性とバッキーが並んでる姿、わたしに耐えられるだろうか?
わたしはただの隣人で友達だから、彼が誰と付き合おうとどうこう言う権利なんてない。

でも、まだ言う勇気も振られる覚悟も出来てない。

勢いで言って後悔したくない。
すぐに出来ない覚悟のためにまたお金を貯めて、振られたあと引っ越せるくらいになってから告白したいくらいだ。


「ミア?」

『へ、?なに?』

「酔った?疲れた?眠くなってきた?」

『あ、いや、何でもない…』


おっとっと。自分の世界に入り込んじゃってた。
すっかり黙り込んでしまっていたわたしを心配してくれるバッキーに『大丈夫』と返す。


まだ、このままでいたいのにな​────……












悩んだことを忘れるように、カクテルの種類を楽しむようにお酒を飲んでいると、中にはアルコール度数が高いのもあったようで、すっかり酔ってしまった。

ふわふわする。


「だからやめとけって言っただろ」

『まいどまいどごめんなはい』


階段を上るのにもほとんどバッキーがわたしを抱えるようにして上がってくれる。


『ふふ、でもたのしかったあ』


酔ってくるとだんだん音楽に合わせて体を動かすのが楽しくなっていって、それもあって余計に酔った。
でも気分が悪くなる酔い方じゃない。


階段を上りきり、さすがにもう歩ける、大丈夫、とバッキーから離れるけれど、すぐに捕まる。



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