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【MARVEL】This is my selfishness

第12章 10th



同じこと、というのはやっぱり今までの環境についてのことかな…。
そこまで聞くのは良くない気がして、上手な返しが出来なかった。


『興味が湧かないっていうのは…』

「俺がまだこの時代を生きれてないからだろうな。どのジャンルもいまいちピンと来ない……いや、来なかった、だな」

『過去形?』

「ああ」


「君のおかげで、前よりは観れるようになったかもしれない」


そう言いながらバッキーの手が伸びてきて、わたしの頬を撫でる。
その動きに見蕩れてしまってただ撫でられただけで触れられたところが熱くなっていく。


『わ、わたし?』


優しい瞳でまっすぐに見つめられると目が離せなくなる。不思議な魔力でもあるかのように。


「ミアが好きなものは観たいと思う。君が興味があると言ったものは俺も興味が湧く……なんでだろうな?」


彼はわたしの頬を撫でるのをやめない。
なんでだろうな?って疑問形にしておきながら、その口調は答えを知っているかのようだった。


『なんで、かは、分からないけど、』


さすがに恥ずかしくなってきて、頬を撫でるバッキーの手に自分の手を重ねてゆっくりと頬からその手を離す。


『けど、わたしが好きな物とかをバッキーも好きになってくれたり、興味持ってくれるのは、すごく嬉しい…、デス……』


恥ずかしさに目を逸らして、代わりに逸らした先のまだ手を合わせたままのバッキーの手のひらを重ねた手の親指でスリ、と撫でた。

「、」

「…それは反則だろ」

『え?』


手のひらを撫でたらなんとなく手遊びのように揉んでみたくなって両手でバッキーの右手を掴み、ぐにぐにと揉み始めていると彼が空いた左手で自分の顔を覆った。


「…何してるんだ、それは」

『ツボ押し、かな』



硬いけど程よい弾力があって、揉むのが楽しくなってきた。
自分の手とは違う感触が面白いというか、なんだかいつまでも触っていたくなる。


『ツボ押しって言っても何のツボかなんて分かんないけど』


そう返すと、バッキーが笑った。その声に恥ずかしくなって目を逸らしたのも忘れて顔を上げると、目が合った。





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