【MARVEL】This is my selfishness
第9章 小話1
「俺はこのまま下のゴミ捨て場にコイツ捨ててくる」
そう言いながら何食わぬ顔で玄関ではなく跳んできた窓のほうへと行き、窓枠に足を掛ける。
『えっ、玄関から行かないの?』
「鍵、閉まってるからな。こっちの方が近いし。いいか、ちゃんと窓とカーテン閉めて服着ろよ」
こちらの返事は待たずして、今度は隣の建物の外階段ではなく、そのまま下に飛び降りた。
…飛び降りた?!?!
自分の部屋の窓→隣の建物の外階段→わたしの部屋の窓というルートでさえびっくりなのに今度は飛び降りた?!
足とか大丈夫なの?!と慌てて窓から下を見ると、見上げたバッキーが笑いながら手を振ってゴミ捨て場へと向かって行った。
……お隣さん、何者…?
とても助かりはしたけれど、お隣さんの屈強そうな見た目に違わない屈強さに唖然とした日だった───────
fin.