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【MARVEL】This is my selfishness

第8章 8th




ワタワタと焦り、口をまごつかせるミアに気を遣い、そこからは別行動することにして、アパートへ帰る​───────と見せかけた俺はミアが俺への意識を向けなくなったであろう辺りで振り返り、どこかへ向かうミアの跡を尾けた。



…さすがにここまでしてるのをバレたら色々まずいのでは、と思わなくもないが、電話がきた後にあの焦り様を見ると知らないフリは出来ない。
電話の相手が誰かも分からないし。話し方と微かに電話から聞こえた声からしてロンバルドだとは思うのだが……


歩道の端​───────店が並ぶ側を歩くミアの跡を距離を空けながらついて行っていると、ミアの足が1つの店の前で止まった。
少し距離を詰めてみると、ミアが止まった店は先日もミアが見ていたぬいぐるみの店だった。


お目当ての物に目線を合わせるようにしゃがむ。
…ぬいぐるみを買うのにあんな風に焦るか?

内心首を傾げていると、ミアは立ち上がってその店の前を通り過ぎて行った。どうやら用があるのはぬいぐるみの店では無かったらしい。














引っ越してきた頃に行った、ネオンだけが光るような暗いお店に入る時と同じくらいドキドキしながら、下着専門店のショップへ足を踏み入れた。

あの店とは全く違って、店内は照明の光がリボンやフリルに反射して視界がキラキラで溢れている。

わたしより遥かにスタイルの良いマネキンが大胆な下着を身にまとっているのを横目に、目的のものを探す。

いつも下着を買っていたお店は引っ越してくる前に住んでいた場所に近いため、ここからでは遠い。
そう思って、近場で探してみたんだけど……わたし、場に不相応じゃない…?

お店の奥に、出入口付近に並ぶ物よりもちょっぴり過激なデザインの下着が飾り物のように陳列されていた。


うっ…ロンさんが言うようなTバックてここら辺だよね…


手に取らなくてもわかる​─────いや、むしろ手に取らないとそれが本当にショーツなのか分からないくらい、紐にレースがついただけじゃん…というようなものもある。


『ワァ…』


思わずため息と一緒に驚愕の声が小さく漏れた。


「何かお探しですか?」

『はわっ』


びっくりして変な声が出た。
その様子を微笑みで返される。



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