第1章 01
育ててくれたのは叔父だった。両親が交通事故に巻き込まれて同時に亡くなったからだ。私は、7歳で独身の叔父の元へ行った。
叔父の視線が保護者のものでは無いと気がついたのは、10歳の頃だった。
夜、布団に入っていると隣に誰かがいるように感じる。荒い鼻息と生暖かい手が体を這うようになった。
小学校を卒業し、中学生になった時。叔父に体を暴かれた。抵抗すれば大きな手で殴られた。避妊はしていたが、その行為は毎週末に行われた。顔は目立つから殴られなかった。でも、腹を蹴られ、首を絞められた。毎日泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて。
それでも家を出られなかった。叔父はお金をくれなかったし、両親の貯金は全て叔父に奪われた。いま思えば、叔父が私を引き取ったのはそのお金が理由だったのだろう。他の身内の連絡先も知らず、私にとっての居場所はこの小さな平屋だったのだ。