第58章 情交 ※
「っは、ナナ……っ、あぁっ……いい……っ……!」
「あっ、あっぁ、っうぁっ……ふ、うっ……あ……っ……!」
揺らいで霞む視界で捉えたエルヴィンは、広い肩幅に分厚い胸板と、鍛え上げられた肉体がまるで彫刻のように美しかった。
突き入る度に揺れる金髪と、欲望に満ちた蒼い瞳に見下ろされると、体の芯が収縮する。
リヴァイさんに抱かれた時も感じた。
遺伝子に組み込まれているように、身体の奥底が彼らを欲しがる。
これは仮説だけれど、女の体はより高い確率で子孫を残せるように、強い男の精を欲しがるようにできているんじゃないだろうかと思う。
そうであって欲しい。
でなければ、私はただの―――――――リヴァイさんに言われた通りの、ど淫乱だということになってしまう。
「――――――ふふ………。」
「ん、どうした?ナナ。」
「――――思い出し………ちゃって………。」
「なにを、だ?」
「――――私のこと、“見た目は女神でど淫乱、最高じゃねぇか”って言った、リヴァイ……さんのこと………。」
「―――――――俺との情事の最中にそれを思い出されるのは非常に癪だが――――――……リヴァイには激しく同意するよ。君は――――――男をおかしくする。」
そう言って私の目じりを指で拭った。
気付かなかった。
一筋の涙が零れたことに。
なにかを抑えむような顔をして私を抱き起し、エルヴィンはそのまま背をベッドに沈めて私をその身体に跨らせた。
「―――――他の男の事を考えた罰だ。自分で、イくまで腰を振るんだ。」
「―――――……そんな……。」
「俺がイくまででも構わないが、どっちが早いかな?」
余裕の笑みを零しながら私を見上げる。
体内のそれを確かめるようにゆるゆると腰を前後に動かす。
「―――――は、ぁっ………。」
突かれるよりも幾分柔らかな刺激にもどかしさを感じつつも、どうすれば気持ちよくなってもらえるか探りながら腰を動かした。
エルヴィンは右手を伸ばして、私の敏感に尖った快感の芽を人差し指で弾いた。
「んあっ……!」
そしてその指を私の下腹部に当てて、とんとんと指し示す。