• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第57章 洞観




幹部の皆さんが団長室を出て行かれてから、カップを片付け、エルヴィン団長が盗まれたとしていた資料を元の場所に戻した。





「―――――そういえば、なぜお父様からの手紙まで盗まれたことにしたのですか……?」






小さな疑問をエルヴィン団長に投げかける。

この手紙のことは私しか知らないはずで、盗まれた設定のものの中に含める理由が、どうにもピンと来なかった。






「―――――確かめていた。リヴァイの反応を。」



「リヴァイ兵士長の………?」



「――――君と私だけの秘密の話が、リヴァイに漏れていないか、確かめていた。」



「…………!」






本当に怖い人だ。






「信頼に足りませんか、私は………。」



「いや?ただの遊び心だよ。」






私は悔しくて、不満の色を露わにエルヴィン団長を見上げた。




「私で遊ばないでくださいと何度も言っています。」



「――――悪かったよ。」



「…………。」





冷ややかな目でエルヴィン団長を一瞥して、片付けに戻る。すると背後からその大きな身体に抱すくめられる。





「なんですか……、まだ執務中です………!」



「―――――じゃあもうやめる。」



「は?」





そう言うとエルヴィン団長は、ループタイを外して、髪を手櫛でかき上げた。





「ちょ、そんな子供みたいに……、まだ仕事残ってますよね………っ……?!」



「君がいなくなってから仕事はする。君がいてくれる間にしか君に触れられないのに、今つまらない仕事をするのは効率が悪いだろう?」


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp