第56章 事件
「―――――全く問題ありません。よければ……その他の書物も一緒に預かって頂けると……。」
「もちろんかまわない。施錠して厳重に管理しよう。」
「では後程お持ちします。」
「ああ、頼む。それから、夏の壁外調査だが。」
「はい。」
「かなり大規模になる。101期生も多く出す予定にしている。医療班の習熟度は上がっているかな?」
「はい、応急処置や手当と――――――死亡時の処置と記録方法まで……十分任せられます。」
「頼もしい。そのペースで1期につき2名程度は育成していくのが望ましい。引き続きよろしく頼むよ。」
「承知しました。」
医療班も、訓練の合間に少しずつ教えていた甲斐もあり、今の9名はとても頼もしく成長してくれている。
医療班の手が少し離れたらやりたかったことを、意を決してエルヴィン団長に相談してみた。
「――――あの、エルヴィン団長。」
「ん?」
「私も―――――戦えるようになりたいです。」
「――――なに?」
「立体機動だけでなく、対人格闘術と巨人討伐の為の訓練に………参加してもいいですか。」
エルヴィン団長は驚いていた。