第54章 勧誘行脚
「食いつきすぎだろ……っ……!」
「だって聞きたい!」
「―――――己惚れかもしれない、けど……、なんか………ちょっと変わって……きたかも……って………。」
「やっと気づいた?!そう、そうだよね?!」
「興奮しすぎだって。」
リンファは顔を真っ赤にして手で口元を隠した。
可愛い。なんて可愛いんだろう。
「――――だってリンファ本当に綺麗で強くてかっこいいもの。知ってるよ?たくさん告白されてるでしょ?」
「!!」
「――――一途なところが可愛い。愛しいなぁもう。」
私はリンファの真似をして、リンファを抱き締めてヒヒッと笑って見せた。
「――――サッシュの横に、ずっと――――いれたらいいな………。できれば―――――女、として…………。」
「――――うん。」
凄惨な過去から、一度は女であることを捨てたいと言ったリンファが、サッシュさんへの想いによりまた新しい彼女に生まれ変わっていく。
なんて素敵なことだろう。
私たちは束の間の“ただの年頃の女の子”の時間を共有して、眠りについた。