第5章 絶望
そこに着いたのは、夜中近くだった。馬を繋ぎ、門番の男性に取次を求めた。
「………エルヴィン副団長に、お話があり参りました。取り次いで頂けないでしょうか。」
「ん?……こんな時間にか?約束があるとは聞いていないが。」
明らかに怪しまれている。だが、食い下がるわけにはいかなかった。
「はい、約束はとりつけていないのです…ただ、どうしてもお会いしたい…!お願いです、ナナが来ているとだけでも、お伝えいただけませんか…!」
背後から、鋭い低音の声が耳に届いた。
「俺の知り合いだ。通して構わない。」
「そうでしたか!」
私は門前で、決意を改める。
「リヴァイさん、お願いがあります。エルヴィン副団長に会わせてください。」