第50章 悋気
そして翌日、同じように幹部の皆さんが集まった会で、本格的な人選が始まった。
各々の隊編成案を出し合いながら決めていくようだ。
「――――――心配ないとか言っといて、しれっとナナを自分のとこに入れてんじゃん!!!!」
「あ?悪ぃかよ。見えねぇよりは見えてるところに置きたいのは当然だろうが。」
「開き直るんだ!」
ハンジさんがリヴァイ兵士長の背中をバンバン叩いて笑う。
私はどういう顔をしていいのかわからず、なんとなく恥ずかしくて少し俯いた。
「―――――ナナを側に置くことで、お前自身が私情を挟んだ行動に出る可能性は?」
エルヴィン団長から厳しい問が投げられた。
リヴァイ兵士長はため息をついてエルヴィン団長を睨む。
「―――――ねぇよ。こいつにも言ってある。最優先するのは当たり前に任務の遂行だと。」
「―――――なら、いい。」
エルヴィン団長は安心したように少し口角を上げた。
それから編成は滞りなく決まり、これからは装備や出立に向けての準備・手配諸々が忙しくなる。
せわしなく過ぎる日々の中だったけれど、日を追うごとに恐怖が熱い気持ちに変わっていく。
今度こそ、アウラさんに恥じない仕事をしてみせる。