第50章 悋気
その夜、幹部が揃っての話し合いが設けられた。
「―――――ではユトピア区から北エリアの調査はハンジ。カラネス区から東をミケ。クロルバ区から西をリヴァイに任せる。決行は同日時だ。」
「りょうかーい!!」
「承知した。」
「了解だ。」
「それぞれまずは指名制で行こうと思う。編成を考えてきてくれ。それを元に再度話し合おう。育成と医療班のことも含めて考えたい。育成に関してはリヴァイ、新兵から行けそうなのはいるか?」
「―――――ああ、モブリット・グンタ・ゲルガーいずれも出せるだろう。早くから場慣れさせておくといい。訓練兵上がりはまだ駄目だな。」
リヴァイ兵士長が腕を組んだまま淡々と状況を話した。
「そうか、ではその3名を1名ずつ組み込もう。―――――ナナ、医療班からあと2人出せそうか?」
「はい、ナターシャとエミリーを。」
「あと2人ってことは………ナナも行くんだね?エルヴィン。」
ハンジさんが少し眉を寄せてエルヴィン団長に問いかけた。
「ああ、そのつもりだ。」
「ナナ……大丈夫……?前回………。」
私のことを心配してくれているんだろう。
でもその言葉は、リヴァイ兵士長の言葉で遮られた。
「―――――ハンジ。ナナは大丈夫だ。心配ない。」
「…………!」
リヴァイ兵士長のその言葉に驚き、そして嬉しかった。
信じようとしてくれている。私は、それに応えたい。
「―――――ナナ、行けるな?」
「―――――はい!」
私の返事を見て、ハンジさんとミケさんが微笑んで頷いてくれた。