第48章 夜会前夜 ※
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「いやぁ、なんかごめんね?まさかリヴァイがそこまで発情するとは思わなくて。」
「……いえ、こちらこそ……ハンジさんの部屋で……その………すみません………。」
真っ赤になって俯く私の髪をとかしながら、ハンジさんがケラケラと笑う。その後に、ふっと息を吐いた。
「―――――嫌なこととか、怖いことされなかった?……リヴァイは振り切れると怖いところがあるから心配でさ。」
ビクターさんの時の事を指しているのか、ハンジさんが鏡越しに私の目を心配そうに見つめた。
「……いえ、リヴァイさんは変わろうと、してくれいて……。――――強引でズルいところはありますが………痛くしたり、私が嫌がることは……しないんです。」
「―――――愛だねぇ。――――ナナは、その彼の変化が嬉しい?」
「……はい、嬉しいですし――――、応えたいです。ずっとずっと――――リヴァイさんの側に、望まれる私のままいたい、のに………。」
心の内を素直に伝えた。
ハンジさんはいつも私の心の内を引き出し、整理させてくれる。
「――――エルヴィン団長に翻弄されながらも惹き込まれていく自分が怖くて、許せなくて、嫌です………。」
「――――エルヴィンの毒とカリスマに抗える人なんて、そういないよ。彼は本当に――――怖い人だ。………私もリヴァイも、彼に魅せられた1人だから……嫌ほどわかるんだ、その強さが。」
「―――――………。」
「自分を責めなくていいよ、ナナ。リヴァイもきっとそれを解ってて―――――、愛し方を変えようとしてる。ナナが選びたい道を選べるように。それはとても、すごいことだね。」
「――――リヴァイ、さん……が………。」